FXにおけるテクニカル分析のまとめ
テクニカル分析とは?
テクニカルとは相場のチャートの値動きを見て将来の値動きを予測するための手段である。
ツールの見方や、どの指標が何を示しているか、チャートパターンを知ることにより技術を学び、実際のトレードの経験を積み重ねる事で、その技術を磨く事になる。
今回は様々なテクニカル分析方法を簡単にまとめたもので、どういった分析方法を使用するかを探すための記事とする。
FXのテクニカル手法は自分でTRY& ERRORを繰り返し試行錯誤して、その時々の相場により分析方法や設定する期間が違ってくる。
さらに言うと、同じ相場でも人それぞれ違った分析方法や設定期間を使用する。
それぞれの分析方法に基本的なものはあるが、最終的には自分のオリジナルを持つべきだと思う。
あえて言えば、多くのトレーダーは1つの分析方法だけで売買判断をする事はほとんどなく、複数の指標を組み合わせて使っている。
トレンド系指標
現在の相場がどういった方向性を持っているかを判断する指標。
チャートの基本。
1〜3本をローソク足チャートに反映させて見るのが一般的。(短期、中期、長期)
設定した直近の期間の平均値をグラフにする。
よく使われる数字は5.9.10.13.20.21.25.26.50.52.75.100.200など
設定が5の場合、日足なら5日、1時間足なら5時間、となる。
SMA(単純移動平均線)
設定した期間の終値を等分に平均化したもの。
EMA(指数平滑移動平均線)
SMAに比べて、直近の価格が大事だという考えから、新しい価格ほど比重が大きくなる。
SMAよりも市場の変化を敏感に反映させる。
転換線、基準線、雲、遅行線で成り立つ。
転換線は9、基準線は26の高値と安値の合計を2で割った、平均値的なものを表す。
雲は支持帯や抵抗帯となり、現在の値動きと比較して上値下値の予測に使う。
厚みがあればあるほど強い。
遅行線は現在の価格と比較し、上抜け、下抜けで今後の値動きを予測する。
現在の価格と交差する勢いが強ければ強いほど強いトレンドになる可能性が高い。
為替レートの値動きから時間という概念を取り除いたもの。
これからの大まかな値動きは読みやすいが、市場の敏感な動きを捉えにくい。
中長期向け。
ドットラインで表される。
トレンド相場に強く、ボックス相場に弱い。
平均足
長期から短期まで幅広く活用可能。
陰線と陽線の切り替わりを目安とする。
ヒゲの長さが勢いを表す。
切り替わらないうちは利益が伸び続ける。
RSIやストキャスティクス、DMIとの併用が良。
DMI
+DI(上昇力)、−DI(下降力)、ADX(トレンドの強さ)で表される。
+ DIが上昇すると上昇力が強い。
− DIが上昇すると下降力が強い。
ADXが上昇するとトレンドが強い。
ADXが低迷すると横ばい相場。
他のトレンド系指標と併用すると良。
GMMA
複合型移動平均線。
短期6本、長期6本の計12本の指標で成り立つ。
設定値は3.5.8.10.12.15が短期、30.35.40.45.50.60が長期。
束の広がりにより、トレンドの強さを計る。
ケルトナーチャネル
移動平均値、アッパーバンド、ロアーバンドで形成される。
平均値を決める日数は20、移動平均値は平滑移動平均を用いる事が多いため過敏な反応を抑えて使う事が多い。
トレンド発生時はバンド抜けで順張り、横ばい相場時はバンドから反発の逆張り狙い。
RSIなどのオシレーター系との併用が良。
DMIと併用する事が多い。
トレンドの強さを計るのに用いる。
設定期間は10や14など。
値が上がればトレンドの力が強く、低く推移すれば、トレンドはないと見る。
上げや下げという方向性は別のテクニカル分析を使って判断する。
オシレーター系指標
現在の価格が高いか安いか、買われすぎか売られすぎかを判断するための指標。
RSI
為替レートが動いた値幅に着目し、その中に占める上昇の割合を求める事で、売りが強いか買いが強いかを判断する。
トレンドが長く発生している場面では上や下に偏って推移するので使い物にならない。
トレンド転換の判断やレンジ相場での売買に向いている。
移動平均線などと併用。
設定した期間と為替レートにそれぞれ順位を付け、−100%〜+100%までの数値で指数化したもの。
複数の設定期間を表示する事ができ、9.26.52などがそれぞれ使われる。
レンジ相場では短期と長期の乖離やクロスなどにより逆張りする方法、トレンド相場では長期や中期と短期の乖離による押し目買いや戻り売りに使う事ができる。
ウィリアム%R
設定した期間の最高値と最安値の値幅を算出し現在の価格がどの位置にあるかを示す。
設定期間は10や25など。
0〜−100%を推移するように設定するのが一般的。
ウィリアムA/D
指標と値動きを比べてダイバージェンスやコンバージェンスを見つける事で投資判断する。
使い方が少し難しい。
通称「マックディー」。
精度の高い指標としてポピュラー。
MACDとシグナルの2つで示される。
MACDは短期の指数平滑移動平均線と長期の指数平滑移動平均線の差。
移動平均線そのものよりも早いタイミングでトレンドの転換を捉えやすいとされるので順張りに使える。
また、逆に、二本の線のクロスや乖離を見て相場の行き過ぎを捉え、逆張り手法に使う事もできる。
中長期向き。
揉み合い相場ではもつれ合うような動きとなり使い物にならない。
移動平均線、−σ、−2σ、−3σ、σ、2σ、3σで構成される。
3と−3は省略される事も多い。
1σ間に価格が収まる確率は68.26%
2σ間に価格が収まる確率は95.44%
3σ間に価格が収まる確率は99.73%
と、なっていて、このラインの中に収まるか、もしくはブレイクするかという事が判断基準となる。
またバンドの広がりや収束、バンドに対しての価格の位置なども重要。
揉み合い相場での逆張りで使われる事が多いが、このテクニカル指標の開発者は「逆張りに使うべきではない」と断言している。
移動平均線とその平行線で構成される。
25日平均が使われやすい。
見た目はボリンジャーバンドに似ているが、広がりや収束の動きはない。
行き過ぎた相場は戻ってくる、という考えが元になっていて、乖離率は25日移動平均だと約2〜3%と言われている。
設定した期間の最高値と最安値の値幅の中で現在の価格がどの位置にあるかを指数化したもの。
%Kが現在の指数の推移。(パーケイ)
%Dがその移動平均。(パーディ)
%SDは%Dの移動平均。(スローイング、スローストキャスト)
短期〜長期まで幅広く使える。
レンジ相場での使用が使いやすいが、トレンド系指標と組み合わせて、トレンド転換を捉えた順張りにも使える。
設定期間はKが5や10、Dは3など。
その時の相場に合わせた設定が重要。
モメンタム
設定した過去のレートと現在のレートを単純に比較して表す。
0ラインから上にあれば設定した過去より現在のレートが高く、下にあれば現在のレートは低いとなる。
傾きが相場の勢いを示す。
設定期間は10日や25日、26週や52週が使われる。
モメンタムの改良版。
モメンタムはレートそのものの差を比較するのに対して、ROCはその変化率をプロットする。
それ以外はモメンタムと共通する部分がほとんど。
シャンデモメンタムオシレーター
RSIと見方や使い方は似ているが、モメンタムの改良版。
設定した期間内の値幅の合計を比較する。
買われ過ぎか売られ過ぎかを判断する指標が多いオシレーター系指標の中で、この指標は相場の勢いも同時に判断する事ができる。
数値が高ければ買われ過ぎ、且つ勢いがある。
数値が低ければその逆。
シャンデモメンタムオシレーターとその移動平均線を一緒に表示させる方法や複数のベルトを一緒に表示させる方法などもある。
篠原レシオ
AレシオとBレシオで示される。
Aレシオは相場の強弱エネルギー、Bレシオは人気度を表す。
2つのラインのクロスや乖離を基準にするのではなく、どの水準にあるかを見る。
一目の遅行線やバリバン、移動平均乖離率などと併用。
投資家心理を数値化した指標。
使い勝手は…??
移動平均線乖離率
25日平均で見ると+5%〜−5%が売られ過ぎ買われ過ぎの基準とされていて、10%〜−10%が天井や大底となる場合が多いと言われる。
VLDMI
RSIの改良版のような指標。
強いトレンドが発生している場面で、上や下に張り付いてしまうRSIの弱点が補われたいる。
ダイバージェンスが発生しやすいのでRSIよりもさらに早くトレンド転換を捉える事ができる。
アルティメットオシレーター
他の多くのオシレーター系指標と違い、指標は1つのラインだが、計測期間を3つ用意して売買判断する。
売買判断は少し複雑で慣れが必要。
中長期向け。
その他の指標
フィボナッチ比率
フィボナッチ数列を用いた比率である23.6、38.2、61.8、76.4などをチャートに反映させて、狙う価格帯や支持帯、抵抗帯を探る。
チャート判断をしているトレーダーの心理が、チャートの値動きそのものに影響を与えるという考え方。
フィボナッチリトレースメント、フィボナッチファン、フィボナッチグリッドなどがある。
ダウ理論は6つの理論で成り立つ。
1、市場は全ての全ての情報を織り込んでいる
2、為替レートのトレンドには3つの波動がある(短期、中期、長期)
3、トレンドには3つの局面ある(買い集め期、トレンド加速期、売り抜け期)
4、トレンドは明確な終わりのシグナルが発生するまで続く
5、トレンドは複数の指標によって確認すべき
6、トレンドは出来高によって確認できる(FXでは省略される事が多い)
大小様々な上昇5波・下降3波のサイクルが相場に波動を作り出す。
大きな波の中に小さな波がある。
上昇3つ目が最も長くなる。
上昇4つ目は上昇1つ目を下回らない、などの特徴がある。
日柄分析
値動きの周期性や規則性などを時間軸に重点を置いて分析するもの。
確認された周期性から次の天井や大底を予測する。
フィボナッチ比率や一目均衡表などが使われる。
ガートレイ・パターン、バタフライパターン
フィボナッチ比率を使い、反転の形を分析して最終的にインするタイミングを予測するパターン分析。
変形したWの形を描き各点通しの比率を計る事で導き出す。
それぞれの違いは最終的な狙いが起点となる価格をブレイクするかブレイクせずに反転するか。
ピボット
基本的には方向性のない相場で利益を出すためのもの。
相場が急激に動いた場合はそれに追随するように指標が可変する。
ピボット、HBOP、LBOPと、S1、S2、B1、B2を表示させバンド内での往復、もしくはブレイクにより売買判断をする。